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February 10, 2010

中国墓参り

帰省その1(ちょっと追記)

2005年8月7日(日曜日)実家に帰省した。
祖母の葬儀と、祭りに参加が2大テーマ。

午前中、東京→仙台に移動して仙台駅前で小一時間ほど仕事。午後に仙台→秋田→男鹿市に移動して、夕方祖母の葬儀直後の仏壇に遅まきながらご焼香。直ちに仏前での故人昔語りの宴に参加命令が発動された。祖母の戒名に私の名前の「潤」と、昔は人が怖がる商売をしていた伯父の「賢」の字が入っていた。偶然であるが、お前ら二人は戒名に入れて置かないと、ちゃんと弔わないだろうとバサマ(亡き祖母)が心配した結果だ・・・と酒の肴になる事暫し。

夜は20数年ぶりに地元町内の夏祭りに参加。子供らが曳く山車(だし)に伴走し、太鼓に合わせて篠笛(しのぶえ=いわゆる日本の横笛です)を2時間吹きまくり汗だくになった。その後は祭りの打上げに参加し痛飲。夜半に帰宅し就寝するも、祖母の思い出、この日の出来事が頭の中で渦を巻き、祭りの高揚と酔いも手伝って明るくなるまで眠れなかった。

祖母は享年101歳。さすがに最晩年の数年は養護施設で過したが95歳過ぎまで自宅でシャッキリとして、記憶も鮮明。昔の事は年・月・日と曜日までセットにして覚えており、逆にこちらの頭が心配になる事度々でありました。昭和13年に34~5歳で戦争未亡人となってから、女手一つで農作業をし、4人の子供を養育。再婚もせず相当苦労なさった事でしょう。

今から20年前、私は中国留学する事になり、祖母にご挨拶に行った。その折、祖母から「私の夫(私の祖父)が中国山西省武郷(ぶごう)で戦死している事は承知しているだろうが、行けたら行って欲しい」と餞別を5万円も
頂戴した。私は何とかなるだろうと思い承諾。出発前、近所に住む祖父の戦友に祖父最期の様子と場所の確認をした。曰く「昭和13年のその日、昼過ぎに部隊は敵軍の攻撃を受け、由之助(祖父)さんの腹部に銃弾が命中。ほぼ即死。勇敢な兵隊であった。当時戦況は切迫しておらず、遺骨は間違い無くご本人の物」と明言された。また場所も詳細に記憶されており、山西省武郷のからの方角と距離、地形も詳細に伺っておいた。

留学3年目、中国語も不自由無くなり、帰国前にあの約束を果たさねばと友人の日本人と外国人未開放地区の山西省武郷に北京から列車で移動。北京で列車に乗り込む前に花・線香・ロウソク・日本酒の4点セットを入手。翌日の午後武郷に到着。外国人未開放地区ではあったがホテルにはすんなりと投宿でき、翌日の往復200キロ移動のタクシーもあっけなく手配できた。市内を散策したが見るものも無く、ぬるいビールで早々に夕食を食べ二人の墓参団は翌日に備えた。
朝食後すぐにタクシーで出発。半分が未舗装であったが目的地と思われる場所には2時間ほどで到着した。車を停めて、道を離れ高台に登る。あたりを見回し地形を確認すると祖父の戦友が語った地形と一致しており、誤差は数百メートルはあろうが、ここが戦死の場所と判断した。足元を見ると、長さ50センチ程で長方形の自然石が横になっていた。早速これを立てて墓石に仕立てあげ、花を供え、線香を焚き、ロウソクに火を灯した。ひとしきり拝んでから石を日本酒で濡らし法要は完了。周囲の土をビニール袋に入れ、写真を15枚程パノラマになるようにタテヨコをずらして撮影して現地を撤収。ミッションは完了した。
北京に戻ってから現像してみると写真はきれいにパノラマ状になっており、15枚をうまく合わせると額縁にいれても惜しくない出来栄えであった。祖父が最期に見た風景もこれと同じであったのでありましょうか。早速写真を添えて北京から手紙を書いたが、それを読んで、祖母は泣いて喜んでいた由。

墓石周囲の土は、それからさらに半年して帰国した後、直接祖母にお渡した。その時何気なく鴨居を見ると額縁に入った例のパノラマ写真が飾ってあった。

20010年2月10日追記
ふと思い出したので追記します。
一昨年実家に帰省したときに父親から聞いた話では、帰国した遺骨は全身の骨全てではなく片腕の分のみだったとの事。そういえば土を持って帰った時の祖母の何とも言えない表情は印象的でした。上述の近所に住む祖父の戦友(すでに故人)に戦死の場所と戦況等をお聞きした時には、「片腕のみ」の話は全くされなかった。むごい話と思われたからか、それとも当時の常識と割愛されたのか。

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